電子機器の脅威

これを読んでいるということは、君は今電子機器を使っているということだろう。

ここでちょっと考えてみてほしい。

君は電子機器を使うのではなく、電子機器に使われてはいないだろうか。

 

高度な情報化が進んだこのユビキタス社会、電子機器なしで生きるのは難しい。

実際、電子機器は便利である。

人との繋がりを持てる。調べ物ができる。遊びを提供してくれる。

 

ただ、こんな人も中にはいるだろう。

スマートフォンやパソコンの画面を眺めていたら、気づけば1時間が過ぎていた──。

これは、自分の生活の一部が電子機器に蝕まれているということ、そのはじまりである。

そう、いつの間にか、君が電子機器を使うのではなく、電子機器が君を支配している。

 

やがてこれはデジタル依存症に至ってしまう。

デジタル依存症は、精神的エネルギーを奪う。

感情や集中力を奪う。

君の貴重な時間と、その時間で生産し得た利益を奪う。

……。

 

AIの進化が著しい現代、「人工知能が人間を支配する」という意見まで出ている。

現実味がないように思えるかもしれない。

しかしこのデジタル依存は、まさしくその予兆なのではなかろうか。

 

これを防ぐにはどうすれば良いだろうか。

デジタル依存の治療は、禁煙よりも楽と言われている。完全にやめる必要がないからだ。

具体的には、次のような対策ができるであろう。

 

・電子機器を使う時間を予め決めておく

・退屈したときにやる他の事を考えておく

・顔を合わせるコミュニケーションを活用する

・電子機器を物理的に隔離する

 

残念ながら、人は決意だけでは変わらない。

行動をもって初めて変わり得るのだ。

だから、電子機器に蝕まれるのではなく、賢く使うために、ぜひとも行動を起こしてほしい。

 

───僕ですか?

たしかに顔を合わせるコミュニケーションなんて滅多にしませんが……。